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川崎市中原区にて門冠りのマツの剪定を行いました。

川崎市中原区にて、門冠りのクロマツの剪定を行いました。

玄関をくぐる際、自然と目に入るクロマツは、その家の「顔」とも言える存在です。

今回ご縁をいただいたクロマツも、来訪者を迎える風格を備えていました。

 

クロマツの冬季剪定と聞いて、多くの庭師が思い浮かべるのが冬季の古葉のもみあげです。

年末の手入れでは、庭師にとって一つの風物詩のような仕事でもあります。

古葉のもみあげとは、前年以前に伸びた古い松葉を一本一本手でもみ落とし、枝先に今年の葉を整えて残す作業です。

単に葉を減らすためではなく、風通しと日当たりを確保し、病害虫の予防につなげると同時に、枝ぶりや樹形を際立たせる重要な工程です。

 

クロマツは手をかけた分だけ応えてくれる庭木です。

古葉を丁寧にもみあげることで、枝の線がはっきりと現れ、幹の力強さや空間の「間」が美しく浮かび上がります。

これは機械的な剪定では決して得られない、庭師の手仕事ならではの表情です。

 

一方で近年、このような立派な庭木は減少傾向にあります。

代替わりにより敷地が細分化され、庭のスペース自体がほとんど確保できない住宅が増えているのが現状です。

クロマツのある庭は、今や貴重な存在になりつつあると感じます。

 

そのような時代背景の中で、今回新規でご依頼をいただいたこのクロマツは、私にとっても特別な一本です。

親方から学んだ基本の剪定技術を大切にしながら、これまでの経験と自分なりの思いを重ね、木が本来持つ存在感がより引き立つよう手を入れました。

「庭は一度つくって終わりではなく、共に歳月を重ねていくもの」という言葉がありますが、まさにクロマツはその象徴だと思います。

 

剪定後のクロマツは、以前にも増して凛とした佇まいを見せてくれました。

静かな品格があり、住まい全体の印象を引き締めてくれます。

これから先も季節ごとに状態を見極めながら、このクロマツと向き合い、見続けていきたいと思います。

 

庭木がある暮らしは、日々の中に小さな豊かさをもたらしてくれます。

限られた空間であっても、一本の庭木が与えてくれる価値は決して小さくありません。

皆様の庭にある大切な木々も、手をかけながら共に育てていきましょう。